2026/08/19 未分類

ガーバーデータとは?出力の仕方までに丁寧に解説

1.ガーバーデータとは

ガーバーデータとは、
プリント基板の製造に必要な設計データを
まとめたファイル形式の総称です。

プリント基板において
重要な役割を果たすものになります。

電子回路を設計しただけでは
基板を作ることはできず、
その設計情報を製造業者に正確に伝えるため
共通言語としてガーバーデータが
使われています。

具体的には、銅箔パターン、レジスト、
シルク印刷、ドリル穴の位置など、
基板を構成する各レイヤーの情報を
別々のファイルで表現します。

これにより、基板製造会社は
データを読み込み、正確に基板を
加工・印刷・穴あけができます。

ガーバーデータは長年にわたり
業界標準として使われております。

ガーバーデータは、電子回路設計を実際の基板に
変えるための設計図ファイル一式であり、
基板製造に欠かせない共通基板となっています。

1-1) 出力形式

ガーバーデータの出力形式には大きく分けて
「標準ガーバー」と「拡張ガーバー」の
2種類があります。

まず「標準ガーバー」は、
古くから使われてきた形式で、
パターン形状を表す情報のみを記録します。

しかし、基板製造に必要な情報が
ファイル内だけでは完結せず、
アパーチャを別途指定しなければなりません。

このため、設計者と製造者の間で
データ解釈にずれが生じやすく、
トラブルの原因となることもありました。

一方で、現在主流となっているのが
「拡張ガーバー」です。
この形式では、アパーチャ情報やレイヤー属性を
ファイル内に統合して出力できるため、
追加の定義ファイルが不要になります。

これにより、製造業者はファイルを
読み込むだけで必要な情報をすべて把握でき、
データの誤解や欠落を防ぎやすくなりました。

また、レイヤー名や極性などの属性を
持たせられるため、より直感的で効率的な
データ管理が可能です。

まとめると、
標準ガーバーは古い形式で補足ファイルが必須、
拡張ガーバは1つのファイルで情報が完結し、
信頼性が高いという違いがあります。
現在の基板製造では、拡張ガーバーが
事実上の標準となっています。

1-2)拡張子

ガーバーデータはプリント基板の製造に
用いられる標準フォーマットで、
各層や加工情報ごとにファイルが分かれ、
拡張子で区別されるのが一般的です。

従来では明確な規格がなく
CADソフトごとに慣習的な拡張子が
使われてきました。
代表例として、基板の銅箔パターンは
「.gbr」「.pho」など、
ソルダーレジストは「.stc」「.sts」、
シルク印刷は「.plc」「.pls」、ドリル情報は
「.drl」「.txt」といった形式があります。

また、層を示す番号付き
拡張子もよく用いられます。
近年はRS-274X形式が主流で、
拡張情報をファイル内に持てるため
互換性が向上しました。

ただし、拡張子の使い方はメーカーや
CADによって異なるため、
ガーバービューアでの確認が必須です。

1-3)今後のデータ形式

プリント基板製造における標準データ形式として
長らく用いられてきたのが
ガーバーデータですが、
近年では設計の高密度化や多層化に伴い、
その限界も指摘されています。

RS-274Xはガーバー単体で
各層情報を表現できるものの、
部品情報やネット情報、材料特性などは
含められず、ドリルデータや部品市情報などを
別ファイルでやり取りする必要があります。

このため、データの不一致や解釈の違いによる
トラブルが発生しやすいという課題があります。

この問題を解決すえうために
注目されているのがODB++やIPC-2581などの
次世代データ形式です。

ODB++は1つのパッケージに
基板構造、部品配置、ネット接続、材料、
製造条件などを統合して含むことができ、
ガーバーに比べて情報の完全性が高く、
製造業者側での前処理負荷を
大幅に軽減できます。

一方IPC-2581はオープンな業界標準規格として
複数ベンダーが推進しており、
ガーバーの後継としての普及が
期待されています。

今後は、設計から製造へのデータ連携をより
スムーズにするため、従来型から
統合フォーマットへの移行が
進むと考えられます。

ただし、ガーバーは依然として業界で
最も広く受け入れられている形式であり、
短期的には併用が続く見込みです。

最終的には、データの完全性と
効率性を重視した新しい形式が主流となり、
設計から製造までのデジタルフローより
一体化されていくと期待されています。

2.ガーバーデータの歴史

基板づくりに欠かせないガーバーデータ。
その誕生から今まで、
どんな変化をたどってきたのか、
少し振り返ってみましょう。

3.ガーバーデータの作成手順

プリント基板の製造において、
ガーバーデータは欠かせない成果物です。

これは基板設計CADで作成した
レイアウトデータを、製造業者が解釈できる
標準フォーマットに変換したものです。

作成手順は使用するCADによって
操作が異なりますが、
基本的な流れは共通しています。

1.設計データの準備

まず、CAD上で基板設計が
完了していることが前提となります。

銅箔パターン、部品配置、シルク印刷、
ソルダーマスク、ドリル穴などすべての
層情報を正しく定義しておく必要があります。

この段階で設計ルールチェック(DRC)を行い、
配線切れやクリアランス違反が
ないか確認します。

2.出力層の選択

次に、ガーバーデータとして
出力する層を指定します。
一般的には以下の層が必要です。

・銅箔パターン層(表面・裏面・内面)

・ソルダーレジスト層(表面・裏面)

・シルク印刷層(表面・裏面)

・外形(メカニカル)層

・はんだペースト層(リフロー時のステンシル用)

基板仕様によっては内層が複数存在するため、
層ごとに個別のファイルが生成されます。

3.ガーバーフォーマットの設定

現在主流の形式はRS-274Xです。
古いRS-274Dは別ファイルに
アパーチャ情報を必要とするため、
現代ではほとんど使われません。
出力設定では以下を指定することが多いです。

・フォーマット(RS-274X推奨)

・座標単位(mmまたはmil)

・座標精度(例: 2:5→整数2桁、小数5桁)

・原点位置(通常は基板左下)

・ポジティブ/ネガティブの極性

4.ドリルデータの生成

ガーバー本体とは別に、
ドリル用データを出力します。

スルーホール、ビア、部品ピンなどの
位置と径を定義したものです。

基板製造には必須なので、
ガーバーデータと合わせて渡します。

5.出力とファイル整理

各層ごとにガーバーファイルが生成されます。
CADによっては拡張子が自動で付与され
製造業者が層を識別できるようになっています。
さらに、ドリルデータも含め、
すべてを一つのフォルダにまとめます。

6.ガーバービューアでの確認

生成したファイルは必ず
ガーバービューアで確認します。

これは製造業者に渡す前に、
設計者がデータに誤りがないか
チェックする重要工程です。

良く確認するポイントは以下の通りです。

・各層が正しく描画されているか

・部品市とシルクが干渉してないか

・ソルダーマスクの開口が適切か

・ドリル位置とランドが正しく重なっているか

・基板外形線が正確に反映されているか

7.データの出荷

確認が完了したら、
ガーバーファイル群とドリルデータ、
場合によっては部品位置データや製造仕様書を
含めて圧縮し、製造業者に送付します。

4. ガーバーデータ出力時に押さえるべきポイント

ガーバーデータ出力時に最も重要なのは、
製造業者が誤解なく基板を作れる
状態に仕上げることです。

そのためにはいくつかの
確認ポイントがあります。
まずフォーマットはRS-274Xを
選択するのが基本です。

旧来のRS-274Dではアパーチャファイルが
別途必要となり、情報欠落による
トラブルが起きやすいため避けるのが無難です。

次に、座標単位と精度を明確に設定します。
mmかmilか、また整数・小数点の桁数を
どうするか統一しておくことで、
製造側の解釈違いを防ぎます。

さらに、必要な層を全て出力しているか
確認することが大切です。
銅箔厚、ソルダーレジスト層、シルク印刷、
基板外形層、はんだペースト層、
そして必須のドリルデータを漏れなく
含める必要があります。
特に外形線が抜けていると
基板加工ができないため注意が必要です。

また、ファイル命名規則も製造業者に合わせて
整理しておくと混乱を防げます。

出力後は必ずガーバービューアでの
確認を行いましょう。
部品シルクとパッドと重なり、
ソルダーマスクの開口の適否、
ドリル位置のずれ、
基板外形の有無などを
目視でチェックすることが重要です。

最後に、必要なガーバーファイル群と
ドリルデータを一式にまとめ、
圧縮して製造業者へ提供します。

これらのポイントを押さえることで、
基板製造における不具合や手戻りを防ぎ、
スムーズな量産につながります。