2026/08/19 未分類

SMTの工程とは?表面実装の流れを工程ごとにわかりやすく解説

SMT(表面実装技術)は、プリント基板に電子部品を高密度で搭載する、現代では主流の実装方法です。スマートフォンなどの電子製品に採用されているSMTの工程が気になる方も多いかもしれません。この記事では、SMT工程の全体の流れをご紹介したうえで、SMT工程を4つのフェーズに分けて解説します。

SMT工程の全体の流れ

SMT工程は、プリント基板に電子部品を表面実装するための、連続した製造プロセスです。SMT工程は、一般的に次の順に進みます。

<SMT工程の全体の流れ>

  1. はんだ印刷
  2. 部品搭載
  3. リフロー
  4. 検査

この流れは自動化されており、ひとつのラインで大量生産が可能です。それぞれの工程は独立しているように見えますが、実際には密接につながっています。それぞれの工程が重要な役割を持ち、最終的な実装品質を高めるためには、すべての工程で高い精度の作業が必要です。

はんだ印刷・部品搭載・リフロー・検査で構成されるSMT工程

印刷・搭載・リフロー・検査の順に進む

SMT工程の一般的な流れは、はんだ印刷からスタートします。基板のパッド部分にクリームはんだを印刷したうえで、電子部品を基板上に配置します。続いてリフロー炉に基板を通してはんだを溶かし、部品を接合してから、検査を行って実装状態を確認するのがSMT工程の基本です。

各工程の精度が実装品質に影響する

SMT工程では、各工程の精度が後工程の品質に大きく影響します。特に、最初の工程であるはんだ印刷は、実装不良の原因の多くを占めると言われるほど重要です。はんだの量や位置が適切でないと、部品搭載時に部品がずれたり、浮いたりする場合があります。

また、部品搭載の位置がずれていると、リフロー時に部品が正しい位置で接合されず、接合不良の原因になります。一方、リフロー時の加熱が不十分であればはんだが十分に溶けず、過剰な加熱では部品が熱ダメージを受ける可能性があります。このように、一連の工程はいずれの製品の信頼性を左右するため、工程ごとに厳格な管理と検査が求められます。

SMT工程①はんだ印刷

SMT工程で特に重要なのが「はんだ印刷」です。この工程で、基板にクリームはんだを正確に塗布できるかどうかが、この後の工程である部品搭載の品質を左右します。はんだ印刷の詳細を見てみましょう。

メタルマスクを使ってクリームはんだを塗布する

はんだ印刷では、メタルマスクと呼ばれる薄い金属板を使用します。メタルマスクには、基板の形状に合わせた開口部があり、これを基板に重ねてクリームはんだを塗布します。

印刷後は、基板のパッド部分だけに、クリームはんだが適量塗布されていなければなりません。印刷不良があると、部品搭載の工程で、部品が浮いたり、ブリッジなどの不良が発生したりします。そのため、印刷機の設定管理や、メタルマスクのメンテナンスを欠かさないことが、製品の品質を高めるために重要です。

印刷位置やはんだ量を検査する

はんだ印刷を終えたら、印刷検査装置を使って印刷状態を自動で検査します。印刷検査装置は、カメラやレーザーを使って、はんだの位置ズレや量の過不足、形状の異常などを検出する装置です。この段階で不良を検知することにより、後工程で発生する不良を未然に防ぎやすくなります。

印刷検査装置で不良が見つかった場合は、基板をラインから除去するか、手直しで修正します。はんだ印刷は、実装不良の原因のうち多くを占める工程です。この工程で厳密な検査を行うことが、製品の品質に大きな影響を与えます。

SMT工程②部品搭載

はんだが印刷された基板に、電子部品を配置する工程が「部品搭載」です。この工程では、高速かつ高精度で部品を基板上に搭載することが求められます。工程の具体的な内容を見てみましょう。

マウンターで電子部品を基板上に配置する

部品搭載は、マウンターと呼ばれる装置で行います。マウンターは、複数のノズルで部品を吸着し、画像認識カメラで部品の位置や向きを補正しながら、指定した位置に高速で部品を配置できる装置です。性能により差がありますが、1時間あたり数万~数十万個の部品を搭載できます。

搭載する部品は、抵抗やコンデンサ、ICなどさまざまです。マウンターは、部品の種類に応じて適切なノズルやフィーダーを選択するため、正確な配置が可能です。この工程の精度が悪いと、はんだ付け不良や接続不良の原因となります。

部品の向き・位置ズレ・供給ミスを防ぐ

部品搭載の工程では、部品の向き間違いや位置ズレ、供給ミスが発生しないように、厳格な管理が必要です。マウンターには画像認識機能がありますが、プログラム設定のミスや供給異常があると不良が発生するため、注意しましょう。

SMT工程③リフロー

リフローは、部品が搭載された基板を加熱してはんだを溶かし、部品を基板に接合する工程です。リフローの作業内容を詳しく見てみましょう。

リフロー炉ではんだを溶かして接合する

リフローは、リフロー炉と呼ばれる加熱装置に基板を通して行います。リフロー炉の内部は複数の温度ゾーンに分かれており、基板を徐々に加熱した後、クリームはんだを溶かす温度まで昇温し、その後ゆっくり冷却するのが基本的な流れです。

温度プロファイルの管理が品質を左右する

温度プロファイルとは、基板がリフロー炉を通過する際の、温度変化の曲線です。余熱、ピーク、保持、冷却といった工程の温度や時間を、部品や基板の仕様に合わせて最適化する必要があります。

はんだが溶けると、部品の電極と基板のパッドが接合されます。加熱が不十分だとはんだが溶け切らず、反対に過剰に加熱すると部品が熱ダメージを受けるため、温度プロファイルの管理を的確に行うことが大切です。

SMT工程④検査

リフローの後に行われるのが検査です。SMT工程では、どのような検査が行われているのか、詳しく解説します。

AOIや外観検査で実装状態を確認する

検査の中心となるのが、AOI(Automated Optical Inspection)です。AOIは、日本語では「自動光学検査装置」を意味しており、カメラで基板を撮影して位置ズレやはんだの形状不良などを判定します。はんだの接合部を目視できない場合は、X線検査装置を用いて内部の接合状態を非破壊で確認する場合もあります。

はんだ不良や部品ズレを早期に発見する

検査の目的は、はんだ不良や部品ズレをできるだけ早く発見することです。これにより、不良品の流出を防ぎやすくなり、製品の信頼性を確保できます。

検査で不良が見つかった基板は、リワーク工程に回され、はんだの追加や部品の交換といった処置が行われる場合が多いです。検査の精度を高めることにより、リワークの工数を減らし、全体の生産性と品質を向上させられます。

まとめ

SMT工程は、はんだ印刷、部品搭載、リフロー、検査という4つの工程で構成されています。それぞれの工程には深いつながりがあり、前工程の精度が後工程の結果に大きく影響します。SMT工程を正しく理解し、各工程の管理を徹底することが、電子機器の品質向上と生産性向上を実現します。